。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。

ミラーハウス!?


□ミラーハウス!?□


戒のおかげでランドのスタッフに紹介されたベストスポットを陣取って、きれいで華やかで楽しいパレードを間近で見られた。


きらきらふわふわな衣装の女の人や、男の人のダンサーたちがこれまた華麗にダンスを舞う。


周りを囲む形でダンスを踊っていたダンサーたちの中央に、これまたカラフルで派手な乗り物に乗ったキャラクターたちが手を振っていた。


パークのマスコットキャラクターのミラビが手を振ると、周りから一層の歓声があがり、


あたしは戒から借りたデジカメで写真を撮るのに必死。


しかしながら、最前列を陣取ったにも関わらず横から後ろから押されて写真どころじゃない。


すげぇなミラビの人気は!


おまけにあたしは背も低いから背伸びしてミラビを撮ろうにも、なかなかブレて定まらない。


「あ゛~!!ミラビーー!!」


と嘆きの声を挙げていると


「よっ」


戒の声が聞こえてきて、あたしの両脇に手を入れられるとそのまま“高い高い”


あたしの腰の辺りをしっかりと力強い腕で抱きしめられて


ぅを!


急に高くなった見慣れない景色にびっくりした。


こんなの恥ずかしいよ。と、思わず戒を見下ろすと


「いいの撮れるか~?」と戒はにこにこ。


恥ずかしいけど……でも、嬉しい。


「う、うん!」あたしは頷いてお目当てのミラビの写真を撮りまくった。


パレードも中盤に差し掛かろうとしていた。


「そこのステキな彼氏!☆


彼女と一緒に僕たちとダンスをどうだい!♪」


と、ダンサーの一人に手を指し伸ばされて、


へ!!?


とあたしは目をぱちぱち。


周りをキョロキョロするとカップルはあたしたちだけで、他はファミリーだったり友達同士だったり。


ここまでしっかり手を差し伸ばされて、断ることはできない。


戒もそう思ったのか、あたしを降ろすと手を繋ぎ


「踊ろうぜ♪」と、こちらはノリノリでダンサーの輪に入っていった。



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