。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。

実験!?



□実験!?□



鏡に映ったあたしと―――背後の男


は、



さっきの金髪。



見間違や記憶違いな筈はない。着ているものも一緒だったし、何より強烈な印象だったから。


男はハジキの銃口を更にあたしのこめかみ突きつけると、どこか愉しそうに


「また会ったね」


と低く笑った。


ハジキの冷たくて硬い感触が髪を通り越して、直に頭皮に伝わる。


それがオモチャとかの類ではなく、本物だと言うことが分かった。


ごくり、と唾を飲み込み




「やっぱお前……


何もんだよ」





「彼氏はどこへ行っちゃったの?お姫様を一人で行かせるなんて、随分自信があるんだね」


男はあたしの質問に答えず、またも軽く笑う。


銃口を頭に突き付けられてる状態だから、今あたしは下手に動けない。





「お前……スネークなのか」





あたしは話を逸らそうとした。その隙にバッグの中にあるケータイで、誰かに……


と思いながらそろりとバッグの中に手を忍び込ませようとしていると


さらに銃口があたしのこめかみを押した。


「助けを求めようとしたって無駄だよ。君“たち”の電波は妨害させてもらってる」


え―――………


「で……でも、戒が来る。もう1分を切ってる」


少しでもこの男の隙を突きたくて言うと


「彼は違う入口から入ってもらったから君と会うことはない」


え!?


「何で―――……」


と疑問を口にしたときに、はっ!となった。


「てめぇ、ミラーハウスのさっきのスタッフだったんか!」


「ご明察。良く気づきました」


ハジキがあるからか、男はどこまでも余裕だ。




戒は来ない―――


ケータイの電波も妨害されてる―――





絶対絶命……







じゃねぇ!





「あたしを誰だと思ってる!!!」




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