godlh
問題児
愛内さんは、いつも一時限目と二時限目の間に、廊下に出て、僕のクラスにいる友達と話していた。
今日も、もちろん彼女が教室から出てくると思って、僕は変にコソコソしながら廊下に出た。でも、彼女は出てこない。それどころか、彼女のクラスの女子は誰も出てこない。不思議に思った僕は、彼女のクラスから出てくる哲に、それとなく聞いてみた。
「哲。」
こいつも、惟と一緒で古い付き合いの友達だ。
「何?秀郎。」
「いや、お前のクラス、何かあったの?」
「もう、最悪だよ。聞いてくれよ・・・。」
僕の言葉をきっかけに、哲はまるでダムが決壊したかのように話し始めた。
「あいつだよ。あいつ。」
哲の指さした方を、僕は目を凝らして見た。けれども、そこには女子たちが群がっていて、何があるのかよくわからなかった。
「あいつって、誰だよ。なんか、女子が群がっているけど・・・。」
「その真ん中に男がいるだろっ。よく見てみ。」
女子の隙間を覗くように見てみる。僕は、背筋が凍った。
―――あいつだ・・・。
今朝見たあいつが、そこにいた。
「なんだよ。あいつ・・・。」
「転校生だって。もう、あんな見るからにやばそうな奴が転校してくるなんて、俺の人生、終わったって感じだよ。」
哲の言う事は、僕にもよくわかった。あんなに危なそうな奴が、同じクラスにいると思うと生きた心地がしない。哲に同情せずにはいられなかった。
「最悪だな。でも、なんであいつ、あんなに女子には人気なんだ?」
「わかんね?クラス中の女子は、あいつに取られるわ、怖くて何もする気が起きねえわ、って感じで、もう本当にどうにかしてくれよって感じだよ。」
「でもさ、お前のクラスにはもう一人、問題児がいたじゃん。あいつは、何も言ってないの?」
「それが、こういう日に限って来てないんだよなぁ・・・。」
今日も、もちろん彼女が教室から出てくると思って、僕は変にコソコソしながら廊下に出た。でも、彼女は出てこない。それどころか、彼女のクラスの女子は誰も出てこない。不思議に思った僕は、彼女のクラスから出てくる哲に、それとなく聞いてみた。
「哲。」
こいつも、惟と一緒で古い付き合いの友達だ。
「何?秀郎。」
「いや、お前のクラス、何かあったの?」
「もう、最悪だよ。聞いてくれよ・・・。」
僕の言葉をきっかけに、哲はまるでダムが決壊したかのように話し始めた。
「あいつだよ。あいつ。」
哲の指さした方を、僕は目を凝らして見た。けれども、そこには女子たちが群がっていて、何があるのかよくわからなかった。
「あいつって、誰だよ。なんか、女子が群がっているけど・・・。」
「その真ん中に男がいるだろっ。よく見てみ。」
女子の隙間を覗くように見てみる。僕は、背筋が凍った。
―――あいつだ・・・。
今朝見たあいつが、そこにいた。
「なんだよ。あいつ・・・。」
「転校生だって。もう、あんな見るからにやばそうな奴が転校してくるなんて、俺の人生、終わったって感じだよ。」
哲の言う事は、僕にもよくわかった。あんなに危なそうな奴が、同じクラスにいると思うと生きた心地がしない。哲に同情せずにはいられなかった。
「最悪だな。でも、なんであいつ、あんなに女子には人気なんだ?」
「わかんね?クラス中の女子は、あいつに取られるわ、怖くて何もする気が起きねえわ、って感じで、もう本当にどうにかしてくれよって感じだよ。」
「でもさ、お前のクラスにはもう一人、問題児がいたじゃん。あいつは、何も言ってないの?」
「それが、こういう日に限って来てないんだよなぁ・・・。」