godlh
グチャグチャ。
イヤなのは、感触だけじゃなく音もだった。
僕は、愛内さんのため、愛内さんの笑顔を想像しながら、絶え続けた。
グチャグチャがピチャピチャに変わった。瞼を閉じているから、どんな風になっているかわからなかった。けど、感触が変わった事から、もうそろそろだとは思っていた。
「ひ、秀郎。もういい・・・。」
僕の心の中を見透かして、惟が声をかけてきた。
「あ、うん。」
いろいろな事を体内に押し込んだせいで、言葉も出てこなかった。僕は、そんな押し込まれた言葉を外にだすために、ゆっくりと瞼を開いた。
―――これは、何?
形を成さないそれを、うまく認識する事が出来なかった。
そんな頭がはっきりしない僕を覚醒させようと、生臭い気分の悪くなる臭いが大量に流れ込んできた。
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