godlh
情報収集
放課後、僕たちは理科室にいた。
ただ、いつものようなノリにはなれなかった。
「秀郎。元気出せって。」
そう言われて、鏡の前に立ってみた。授業で使った大きな鏡を前に、一生懸命笑おうとがんばってみた。けれど、自分の顔じゃないみたいだ。それくらい、僕は悲しみに支配されていた。
惟は、僕が思いもよらない事を言って、僕を励まそうとしてくれた。
「って言うかさ、あいつら、付き合ってんの?よくよく考えたらさ、単に朝、一緒に駅から歩いてきたってだけじゃん。それくらいなら、俺でもするよ。この間だって、近藤と一緒に帰ったりしたしさ。でも、俺、近藤と付き合ってないもん。」
近藤というのは、僕らのクラスにいる女子だ。愛内さんほどじゃないけれど、それなりにかわいいと思う。そして、惟もクラスの女子には、かなり人気がある。言わば、愛内さんとあいつの関係に似ている。そう言われると、急に元気が出てきた。
冷静に、落ち着いて考えを巡らせた。
「そ、そうだよなぁ。」
と言っても、完全に不安は拭い切れてなかった。
それが、惟には、じれったかったのだろう。僕の背中を押しながら言った。
「ったく。落ち込みすぎだちゅうの。ほら、哲のところに行くぞ。同じクラスなんだから、何か知ってるはずだろ。」
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