godlh
あゆみは、祖母と暮らしているせいで、少し古風なところがあった。恋愛ドラマなんて、祖母の好みでないので視る事もないし、マンガも頭が悪くなると言われて、買い与えてもらう事はなかった。
そのせいだろう、あゆみは同世代の娘たちに比べると、かなり恋愛と言うものに疎かった。だから、自分が彫野に好かれているなんて事は、夢にも思いつかなかった。
梢や、リアもその事は知っていたはずだった。けれども、あまりにも魅力的な彫野の前に、そんな事は簡単に吹き飛んでしまっていた。
いくら考えても、自分が想像もしていない原因は思い付く訳がなかった。堂々巡りをしているうちに、あゆみはいつの間にか“マワル世界”にいた。
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