godlh
紅い瞳
朝、あんな事があったせいだろう。
梢も、リアも、クラスの女子たちも、誰もあゆみに何かしようとはしなかった。彫野は、女子たちには相変わらずやさしい。それは変わらなかった。
けれど、もしかしたら自分たちが、大河内のようになるかもしれない、そう思うと、あゆみに何かする気にはなれなかった。あゆみと女子たちの溝は、深く、大きく開き始めていた。
ただ、思春期の気持ちというのは不安定なものだから、彫野にやさしく話かけられたりすると、―――自分の彼氏だったらいいのに、とか―――やっぱり格好いいとか、別の気持ちの方が強くなったりした。
そして、あゆみはそんな彫野の様子を見て、そのひとり、ひとりに確実な殺意を形成していた。ただ、その殺意は決して彫野に向く事はなかった。
< 73 / 206 >

この作品をシェア

pagetop