天の川に浮かぶ島
「詩織はこの島の名前知らないよな?」

「え?ここ島なの?」

「ああ。五色島っていうんだ。季節によって五色の色が移り変わっていくから」

「それって七夕の天女の羽衣みたい!その五色に光り輝く羽衣があまりにも綺麗だから、人間に隠されちゃう」

「違うだろ?人間は天女と話したかったから羽衣を隠したんだよ。でもこの島見たとき、詩織は絶対ここがいいだろうと思って。入院するとき俺が決めたんだ。島を上空から見ると本当に羽衣を落としたような形になってるんだぜ」

 人の手が入っていない道に思いのほか足をとられ、思うように進めない。

「そろそろ戻るか。大丈夫、高台までならすぐ行けるようになるから。少しずつ距離伸ばして行こう」

「そう、かな?けっこう、かかるかもよ?」

「大丈夫だよ」

 穏やかな表情とは裏腹に、声は張り詰めて力がこもっていた。
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