ヒマワリ君の甘い嘘

side girl


***





夏になると、いつも思い出す。



あの夏の一瞬の出来事。







小さな空間で同じ時間を共有してた私たちの事。




あの後直ぐに雨が止んで、私からタオルを受け取ったあの男の子は走っていってしまった。



どこの学校かもわからない、


ブラウンの目をした彼。




名前くらい、聞いておけばよかったな。



なんて、
今更もう遅いよね…




「小夏ーー!!!」



教室に入って来た途端、大声で私に駆け寄るのは友達の白石 華。

華とは、高校生になってからの付き合いだけど、変な気も使わないし、一緒にいて凄く楽。


華はサバサバしていて、面白い。顔も猫目がよく似合っている美人。私に比べて友達が多いのに、こんな私にいつも構ってくれる。


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