ヒマワリ君の甘い嘘

side girl




***





「へっくしゅんッ!!」





通学路に響く私の大きなクシャミ。



日向くんの家に訪問した次の日。


クシャミは今日で3回目。


もしかして、本当に日向くんの風邪うつっちゃったのかな…


いや、違う。


多分杉の木の前を通っているからだ。


「(きっと花粉のせい…)」


私は自分にそう言い聞かせると、学校へ向かう足を早めた。




学校に着くと、懐かしい光景が目に入る。


私の席の隣に座っている、黒い髪。

そしてその前には楽しそうに話す高崎くん。


きっと日向くんは、凄く嫌そうな顔をしているんだろうなあ…


クスリと笑うと、私も自分の席に着いた。



「おはよー!立花さんっ!」



高崎くんは、やっぱり元気だ。

そういうところも華と似ている気がする……って違う!!


「お、おはよう」


慌てて高崎くんに挨拶をしてカバンの中から荷物を取り出す。


昨日といい、今日といい。


最近私の中で、華と高崎くんがだんだんお似合いに見えてしまっている


「(ダメだよ!華には裕也くんがいるのに…!)」


フルフルと首を振って、その考えを吹き飛ばした。





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