ヒマワリ君の甘い嘘

side boy



***




「俺ら、中学の時に会ってる」




俺はそう言って、また視線を下に向けた。


そうだ。
俺たちは、あの日あの場所で、
同じ時間を共有した。


目の前で呆然と俺を見つめるのは、あの時俺の隣に居た人。

可愛くて、
優しそうで、
好きだった人。



俺はとうとうその言葉を口にしてしまった。



大きな塊が心臓から抜けたみたいで、身体の力が抜けそうになる。


立花は、表情を固めたまま、瞬きもせずにただ俺の目をまっすぐ見つめていた。


時間が止まったかの様に。


「雨の日、会ったろ。俺と」


理解して、反応できていないのか

それとも、俺のいっていることが理解できていないのか。



「…ちゅう………、が………く…?」



「そうだ。………分かるか?」



そう言ってから、しばらくして、立花は唇を噛んだ。

どういう気持ちなんだ…?


あの時、会った人が俺だと理解して…






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