哀しみの瞳
「ほぅっー、沙矢ちゃん、金星!その通り、言ったもんだねぇ、ぴんポン!」「でも、そしたら、理恵、真っ青になってもうろうとして一人で帰ってしまって、私、何か悪いこと言ってしまったみたいで」「ふーん、そっちもやっぱり、そっかー」「やっぱりって?」「二人共似た物同士だってこと!二人共自分の気持ちに気付いていない。まぁ秀の方は自覚はしているが、理恵ちゃんは今まで気付いていなかったんだろうな。きっと、それで、いきなり君に言われたものだから、ショックを受けたんだ」「ええっ、だって武さんから見ても分かるよねぇ、しかも二人共だよね?」「そうなんだけど、二人共昔からずっと兄妹みたいに接してきてる訳だから、異性としては見ないようにしてきたんじゃないのかな」「だって悪い事じゃぁないんだし、いいんですよね、実際!」「まぁ、あの二人が、これから先どうなっていくかは、神のみぞ知る。我々はただひたすら、見守る。それしかないっ、ということです!沙矢ちゃん、はいっ、お疲れ!」「はいっ、わかりました。ところで、そぅ、言い切れる武さんを、私は好きです!ええっ、私何か、スゥーットしました。有難うございました!じゃぁ、また!」「はあっ、ええっ?はいっ、またね!」なんだこの子は、正直っていうか、素直っていうか、この俺ですら、驚かされる。まぁ理恵ちゃんにはもってこいの友達だな!ひとまずよかった!明日秀に知らせるべきかどうか、一晩寝てから決めよう。
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