哀しみの瞳
それから、一か月があっと言う間に過ぎていった。


道場での、教えは、秀の気持ちを無にしてくれる、唯一の貴重な、経験であった。その時だけは、理恵の事を考えずに居れた。


だか、美佐子さんや、美紀さん達と居る時、秀は、知らずに、ふっと、悲しい顔をしているらしく、その事をある日、美紀が、聞いてきた。


(美紀)
「秀さん?一度聞いてみたかったの。秀さん、ふぅーっと悲しい顔するのは、どうして?」


(美佐子)
「美紀ちゃん!またぁ、そんな事聞いたりして…ダメでしょ?」



「…………」



秀は一人道場へ、行った。


道場では、甚一が、正座をして、黙想していた。



(甚一)
「君も、そこへ座れ!気持ちが落ち着くぞ!」


(秀)
「はいっ…」





(甚一)
「どうだ?此処での生活に少しは慣れたか?」



(秀)
「はいっ、お陰様で、先生のお陰です。」
秀は、甚一の事を先生と呼んでいる!



(甚一)
「少しは何かを話す気持ちになれたか?そこから、抜け切れない限り、君は何処へも進めないぞ !!「」
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