哀しみの瞳
由理の心の中~


父さん…私ね!ずっと良い娘にしてたんだよ!



あの人達がね?しあわせって思ってる通りにしてあげる事が自分の務めだと思ったから。


反抗なんて、する必要もなかったの。何でも言う通りにしていたのだけど、感情がね?どんどん無くなっていくのが自分でも分かるくらい何も感じなくなっていた。



なのに…あの時見知らぬ男性を前にした時、すべてが壊れてしまったの。



父さん…私は、もう生きて行けないのかも、なんて思うのはどうしてかな?


誰も助けては、くれないくらい、深くて遠いところに来ているから…



誰も此処へは来れないところに、今一人でいるの。



もう……あの両親の元へも、行きたくない。



私には、何処へも行くところが無いのかな?
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