・約束・2
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「・・・ただいまぁ・・・・」

春夏が帰って来た。


「おかえり」

「ママ~ あのね・・・」

病み上がりの雅紀は、大興奮して一日の出来事を春夏に話している。
その姿を見て、春夏も優しく微笑んでいた。


話の流れから、週末辺りに引っ越しをする予定になる。

ちょうど春夏の仕事も一段落着いたようだった。
しかし、その顔は曇っている。


「春夏、どうかした?」

オレは春夏の顔を覗き込んだ。


「えっ?・・・何もないよ」

春夏は視線を外した。
その瞬間、春夏の瞳からは大粒の涙が溢れだしていた。

「ヤダッ・・・私、どうしたんだろ」

慌てて涙を拭う春夏の姿を、オレと雅紀はただ黙ってみていた。
雅紀の手がオレの手を握って我に返る。

「雅紀、お部屋で一人で寝れる?」

「うん。大丈夫だよ。パパ、ママのコト、
イイコイイコしてあげるとげんきになるよ」


「分かった。ありがと雅紀。おやすみ」

「おやすみ」


雅紀を見送り、タオルを片手に春夏の傍へ行き、
ソファに座った。
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