・約束・2
「向こうも、女優やめる気無かった様だし・・・」


「そ・・・んな」


「何も相談せず何も無かったかのような態度取られたら・・・
 たとえ気づいてたって、それに合わせるしかなかったんだ」


「もし・・・相談されてたら?」



「あの頃だったら、責任取ってると思う。
 春夏を忘れてたわけじゃないけど、会えないだろうと諦めてたから
 春夏以外の女性と付き合ったんだし・・・」


「・・・・・・」


「どっちにせよ、大事なコト、相談してもらえなかったんだ。
 オレは彼女にとって、それだけのオトコだった・・・って事だろ。
 頼りにならない、年下のオトコ・・・」


「でも・・・百合子さんは・・・」


「瀬戸川さんにとって、女の幸せ=結婚とかじゃなかったんだろうな」


・・・きっと、雅也も当時はホンキで百合子さんを愛していたんだ・・・
ちゃんと相談して、話してほしかったんだ・・・
男として、頼ってほしかったんだろうな・・・って、何となくだけど感じる・・・


百合子さんが独断で判断した身勝手な行動を、責める代わりに
気持ちが離れちゃったのか・・・
それでも、知らないフリして合わせてたから・・・
今は、どこか一線引いてるんだ・・・・・・

記者会見でワザワザ百合子さんの隣りで発表したのは、
雅也なりの復讐だったの?

託児所で、自分の子だとハッキリ言ったのは
身勝手をした百合子さんへの嫌がらせ?

・・・違う。そんなハズ無い!・・・って思いたい・・・

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