危険なアイツと結婚生活




「蒼……あたしのこと、嫌いになるかもしれない」




あたしは呟いていた。

蒼はきょとんとした顔であたしを見る。

その子供みたいな表情すら愛しい。





「なんで?嫌いになるわけないじゃん」




いつもの優しい言葉。

だからあたしは甘えてしまう。




「あたし、出産して、女性じゃなくてお母さんになっちゃったんかな?」




蒼は口を噤んであたしを見た。

その綺麗な瞳に吸い込まれてしまいそう。





「あたし……魅力ないの?」



「唯ちゃん、魅力的だよ。なんで?」



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