キミとひとつになれたら



ビクン、と。
恐怖で体が跳ね上がる。



すぐ後ろから聞こえる声。


でも振り向けない。


体が動かない。






「何してるのかなぁ……」



耳元で呟かれたその声は、麻酔のように全身を痺れさせた。






「っ…し、の…みや…くん…」


「もう起きてたんだね。まだ寝てると思ってたのに……。油断したなぁ」





振り向くと、彼は笑ってた。


ニコニコ、笑顔の彼。




尻もちをついたまま、後ずさりした。




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