キミとひとつになれたら



「どんなイメージを持ってたの?」


「落ち着いてて、成績優秀で優しくて、爽やかな…王子様?」


「……僕が、王子様?」



四ノ宮くんが、鼻で笑った。
馬鹿にしたみたいに。



「だって…私の中では、そういうイメージなんだもん」



笑われて、ちょっとムッとして、キツめの口調になった。





「僕は王子様なんかじゃないよ」


「だろうね。じっくり話してみると、意外と軽い人なのかなって思った…」


「軽い?そうかな…?」




自覚なしなの?



学校で、クラスの子に接してる態度とは少し違う気がするんだけど。





「まぁそりゃあさ、クラスの人とは一定の距離を取ってるよ?特に女の子とはね。だって、勘違いさせたくないじゃん?面倒だから」



少しだけ、口調が変わった。




やや低く、冷たい声。
私の知ってる彼じゃない。





「だったら……わ、私に、こんな事したら…」



ここまで優しくされたら、女の子は勘違いするかもしれない。





なのに、どうして?






「河瀬さんはいいんだよ」


「え……」


「キミは、特別だから……」




彼は口角を上げて、ニヤッと怪しく微笑んだ。



< 22 / 420 >

この作品をシェア

pagetop