キミとひとつになれたら




微かに、彼から血の匂いがするような。





吐き気がする。
触れないで……。





「小春ちゃん」



今は私に触れないで、と心の中で強く思った。





だって、私を抱きしめてる手で彼は…自分の親を……。





「僕、とうとうあの下衆どもを殺しちゃった」



狸寝入りを見抜いてるのか、ポツリと語りだした。





「でも悲しくない。胸がスッとしてる。お金は結構あるから、生活は当分大丈夫。いざとなればバイトすればいいし」



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