琥珀の世界
第一章:独り
私は柚子、城之内柚子。普通の中学生だよ。このお話は、私がたった1ヶ月で体験した一生分の思い出...


「城之内。」

静かな教室に、私の名前を呼ぶ声が響く。

「はい。」

短く返事をして、私はそれを受けとる。今日は私が最も嫌いな日、そう。テストが帰ってくる日だ。
私の成績は、正直言って最悪。
四段階ランクで言えばD。皆が言うには、「death」のD。
ほら...また聞こえてくる。馬鹿にする声。
「おい、城之内の奴、またDランクだぜ?」

「うわ...引く...」

「何も思わないのかな?あんな成績で...」

聞こえないように言ってるつもり?全部聞こえてるよ。
傷付かないけど、ね?
あぁ、もう早く帰って寝たい。
どうでもいいじゃん、成績なんて。

「城之内、お前受験生だろ?やる気あるのか?」

はいはい、私は受験生ですね。
いいですよ。高校なんて行く気ないですから。
いや、行けませんから。




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