白い闇に囚われてー短編集ー【停滞】
「わっ! ど、したの?」
いきなり背後から抱きかかえられて、理波は泡食った。
壱星は人前での愛情表現も、いい方に言えば豊か。簡単に言えば羞恥心がない。
なので急にそうしたくなったのかな、くらいの理解でいいはずだが……。
壱星は、儚を間に騒ぐ二人を見ていた。
「………思ったより動揺してないな…」
あいつは改善傾向か…と、ひとりごちている。
……なにが?
理波はクエスチョンマークが浮かぶしかなかった。


