涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


「おはよー……」



レイ……!!


眠たそうな顔をしながら教室に入って来たレイに胸が一瞬で高鳴る。


染めてないのになんとなく金髪っぽいレイの髪がフワフワしてる。



「いっつも俺が最後やね?」


「寝坊すけめ」


「うるせぇーよ。サクも朝苦手やろ?」


「苦手じゃないし。わりと得意」



ドヤ顔すると席に座ったレイが頬杖をつきながら私を見て「ふーん、そうなんや」って笑った。


その顔がどうにも爽やかすぎて、胸がギューっと締め付けるように優しく痛んだ。


……好きが溢れる。


レイに会えない夏休みは、すこし物足りなかったんだよ。


会いたくて、でも、連絡できなくて。

そんな私のこと、レイは知らないやろ?



「サク、今日一緒に帰ろうか」


「……うんっ!」



彼の眼差しに優しさを感じる。


真理ちゃんと圭都がニヤニヤしながら「邪魔者は退散しまーす」みたいな足取りで自分たちの席に戻って行った。


……レイと帰る放課後なんて、楽しみすぎるっちゃが!!


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