涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


カーテンの内側に入って来たレイ。

慌てて起き上がると髪の毛を手ぐしで整える。


密室感があって、なんだか異様にドキドキした。



「具合悪いって聞いたけん」


「うん、でももう大丈夫やからっ」


「そっか……」



あれ?でもおかしいなぁ……。


レイと目が合わない。
こんなに近くにいるのに。遠い。


レイが、遠いよーーーー。


……勘が良すぎるのは損やね。

本当に前も思ったけど、鈍くて可愛い女の子に生まれたかった。



「サク、あのな……っ」



話し出したレイが私を見て一瞬で言葉をやめた。


ポロポロ出てくる涙に「あはっ、ごめんね!なんか!あれ、おかしいなぁ」なんて誤魔化したけど。


心の中はぐちゃぐちゃだった。



「レイ、私のことキライになったん?」


「……っ……」



私を見る瞳が揺れた。


否定、してくれんったいね。


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