涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


真理ちゃんもまた、私のことを頑張って元気づけようとしてくれている一人。



「あっ、麗矢くんおはよー!」



女子たちの明るい声。


呼ばれた名前にビクッと身体が反応して硬直してしまった。


でも、それは一瞬で。頑張ってなにごともなかったようにお弁当を広げた。


……ずいぶんゆっくりな登校なことで。



「真理、睨みすぎな」



圭都が向かい合わせで座る私たちの横の席からイスを引っ張り出して座る。


手にはお気に入りのメロンパン。


真理ちゃんを見ると登校して来たばかりのレイをすごく睨んでる。



『レイがそんな最低なやつだとは思わんやった』



真理ちゃんにレイから「気持ちがなくなったから幼なじみに戻ろう」って言われたことを話したら、そう返ってきて。


それ以来真理ちゃんはレイのことを目の敵にしてる様子。



「社長出勤しておいて、なにヘラヘラ女の子に囲まれてんのよ。ほんとムカつく」



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