涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


そんな穏やかな顔でかわいいよなんて言われたら、私。


……嬉しくて仕方ない。



「サク」



レイが呼ぶ私の名前は、特別キレイに聞こえるのはなぜなんだろう。



「行こう」



もともとタレ目だった目の形が笑ってまたさらに下がる。


優しいレイの声に泣きたくなった。


……愛しいよ。


大好きだよ、やっぱり。

諦めきらんかもしれん。


ダメやって、思っても

彼女がおるってわかってても


レイが、欲しいよ…ーーーー。


小さいあの頃からずっとずっとレイだけが好き。


レイは私のこと、ただの再会した幼馴染にぐらいにしか思ってないんだろうけど、それでも好きだ。


それにレイにはかわいい彼女がいる。


私の入る隙なんてどこにもない。


……私が、レイの彼女になりたかった。


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