焔のものがたり
ローエン・ブラント
 そう遠くない昔、あるところに一人の女の子がいました。
彼女の名前はローエン・ブラント。母親は既に亡くなっていて、父親との二人暮らしでした。彼女の父親はひどい人で、ローエンの母親が娘のために遺した財産で昼も夜も酒をあおる堕落した生活を送っていました。ローエンはというと、毎日手籠いっぱいのマッチを持たされ、こう言われるのでした。
「マッチをすべて売り切るまで家に入れねえからな」
 ただのマッチなど誰が買ってくれるでしょうか。可哀想なローエンはマッチの籠を抱えて歩いていくのでした。
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