「近未来少年少女」
第四章 隠された秘密

┗カシワギ組




周りの住人達は各々ゲームをやってたり、
漫画を読んでたりして俺には見向きもしない。


『………本題?』


『ここならゆっくり話せるだろ?』

カシワギの目付きが変わった。


ここは九番街でカシワギの縄張り。

周りは全員カシワギ組で、まるで蜘蛛の巣に引っ掛かってしまったような気分だ。

それに……いつも助けてくれるリーダーはいない。


俺は今更ここに来た事を後悔していた。


『邪魔者はいない、それにここは俺の縄張り。
お前はもう逃げられないぜ』


カシワギがニヤリと口角を上げた。


『に、逃げねーよ……!!』

俺はグッと拳を握りしめた。


逃げない、逃げない。


この世界から出る為にはカシワギは避けて通れない
…………………そんな気がする。

だから今この瞬間も逆に利用してやる。

俺はカシワギの目を見て強くそう思った。



『お前はこの世界から出たい、そうだろ?』

カシワギが核心に触れるように切り出した。


そうだけど………俺はチラッと周りを気にした。
少人数とかいえ、あまり聞かれたくない。


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