「近未来少年少女」





次の日、遅刻しないで学校へ行った俺に真っ先に話しかけたのは、


『おはよう、ユウキ』

シオリだった。


いつもと変わらない教室の風景。キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴ると勢いよくドアが開いた


『ほら席つけー。出席とるぞ』

担任が出席簿を片手に教壇に立つ。

みんな早歩きで自分の席に着いて、普段通り名前が呼ばれて出席が行われた。パタンと担任が出席簿を閉じたと同時にある言葉が教室に響く。


『今からこれ配るからな』


その手には束に積み重なった白い紙。

担任はその紙を前列の生徒に渡して、次々紙は後ろへと回ってきた。俺は紙を手に取って目を通す。


“進路調査表”


紙にはそう書いてあって第一希望から第三希望まで書く欄があった。そして専門、大学、就職、その他に丸を付ける欄もある。

…………その他ってなんだよ?

俺は心の中でツッコミをいれた。


担任は短い説明をして、最後によく考えて1週間後に提出するように話した。


1週間?無理に決まってんだろ。

俺は半ばなげやりに進路調査表を机の上に置いた。



< 9 / 203 >

この作品をシェア

pagetop