晴れ、時々、運命のいたずら



「宮城さん、ある事務所の若手俳優に手を出したって噂が流れている事、知ってる?」



「…。」



「それぞれの事務所幹部との食事会をセッティングしているのはその噂でイメージが悪くなった自分を売り込もうとしているそうね。」



「そんな事は…。」



「その売り込む席に愛姫を連れて行って自分の株を上げようとするなんて…。」



先程までの苛立ちから変わって、典子の顔は青白くなっている。



「マネージャーとして失格ね!」



「そうだった、の?」



直美からの告白に愛姫はただ茫然となってしまった。



「私…、典子さんに、利用されていた…。」



「そうですよ!社長、この世界は食うか食われるか!私だって生きて行かなきゃならない。その為にはこんな小娘だって利用しなきゃ損だわ!もういいです!これで失礼します!」



捨て台詞を吐くと、タブレットを鞄に無理やり押し込んで早足で出て行った。


直美は典子に見せていた険しい表情を消すと、愛姫に向かって頭を下げた。


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