カラダ探し~第三夜~

高広さんと明日香さんはお互いに寄り添って……。


武司さんと結子さんは、それに驚いた様子で、他の人に見られないように手をつないでいた。


そうして辺りを確認している間にも、世界の破片が崩れ落ちていて……。


私の足元の床に、大きな穴が空いて、気付いた時には私はその穴に落ちていた。










「……ちょっと! ……大丈……」













その夢で、最後に聞いた私の声。


何を言ってるか聞き取れなかったけど、それが少し気になった。









ドンッ!


と、ベッドから床に落ちて目を覚ました私は、「だと思ったよ……」などとわけの分からない事を呟きながら目をこすった。


夢にしては、やけにリアルな内容だったじゃないの。


まるで、昔、本当にあったような。


でも、高広さんや翔太さんにため口だったし、何より八代先生と呼ばれた人が、とんでもなく不気味な人だったから、やっぱりただの夢だったのだろう。


「おっ? 今日は身体が軽いね。赤い人に殺されないと、こんなに調子が良いんだ?」


その場に立ち上がり、腕や首を回してみると、殺された日の翌日と比べて痛みも疲労もない。


何日かぶりに、気持ちの良い朝を迎えた……そんな感じだ。


それにしても、昨日は失敗したな。
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