学園マーメイド


「栄兄!栄兄!陸兄に女の子が会いに来たんだけど!」



と大きな声を残して。
嫌でも呆けてしまう。
奥からは同じように大きな声が響いてくる。



「はあ?陸に女の子だぁ?」
「そうそう!陸兄に会いにきたんだって!」



私はどうしたらいいのだろうか。
聞こえてくる声に耳を澄ませながらも玄関の前で立ちすくんでいる。
今度は二つの足音が聞こえたと思ったら、先ほどの男の人の他にもう一人、男の人が出てきた。私を見てまた驚く。
同じように頭を軽く下げてみる。



「本当だ……、陸に女の子が会いに来てる」
「な?な?」



それから下から上までじっと観察され、私も同じように彼らを観察する。
傍から見ればとても不自然な光景に見れるだろう。
たぶん陸嵩の兄弟だろう。自分を含めて3人兄弟で、男だと言うのを確か聞いたことがある。

……半分血の繋がった兄弟。

夕暮れの屋上で話したときのことを思い出す。
だけど彼はちっとも悲しそうでも辛そうでもなくて、それはここにいる兄弟のお陰だとも言っていた。
陸嵩を支えた人たちか。
そんな事に思いを馳せていると、玄関のすぐ横にある階段を下りてくる音が耳に入る。



「二人とも何騒いでんの?なんか面白いテレビでもやってた?」



ああ、この声だ。
2日、そうたった2日だったのにこの声が懐かしく愛おしい。
陸嵩だ。



「陸、お前に女の子が会いに来てる」
「女の子?」



階段を一番したまで織り終わった陸嵩はその“女の子”を確認しようと顔をあげる。




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