キミと 夜空と 星空と。



 念を押しとくけれど、あの後、俺と彼女との間には何もなかった。



いや、もしかしたら・・・あのまま俺たちは関係を持ってしまっていたのかもしれない。

だけど、彼女が声も上げずに泣いた瞬間、俺は反射的に唇を離していた。


「・・・ごめん・・・睦月君のせいじゃないの・・・」


俺が悪いはずなのに、彼女は何度も「ごめん」と繰り返し続けた。


そして、ずっとずっと泣き続けた。
母親に叱られた、小さな子どもみたいに。


 彼女の涙が、俺の脳裏をちらつく。


自分勝手な考えのせいで、俺が彼女を泣かせてしまった。

幸せにしたいだとか大口を叩いたのに、彼女を泣かせてしまった。
激しい自己嫌悪に陥る。



結局・・・俺は彼女に何もしてあげられない。




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