不器用なシンデレラ
 三島さんは私の顔を凄く睨んでいる。

 でも、昨日あんな怖い目にあった原因は彼女にもあるのに、私が睨まれるのは納得いかない。

「本田さん、おはようございます。昨日はありがとうございました」

「元気そう・・・とは言えなさそうだけど、山下さんが無事で良かった。あそこの部長はセクハラ部長で、いつもうちの若い社員に手を出すので有名だったんだけど、今回の行動はかなり問題だったから、そのうち首になると思うよ」

 本田さんがにっこり笑う。

 でも、この笑顔かなり曲者じゃない?

 あの後、どうなったのか気になる。

「鷹野から体調悪いのは聞いてるから、今日はあまり無理しないでね。
具合悪くなったら早退していいから。今日は帰国してバタバタしてるから細かい話はまた今度ね。鷹野、行くよ」

 本田さんが私を見てちょっと目を細めると、軽くウィンクした。

「はい」

 思わず、理人くんを見る。
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