不器用なシンデレラ
「それ今日はずっとつけときなさい。あの御曹司の仕業ね。全く、クールな顔して独占欲強すぎ。だから、あいつも気づいてウィンクしたのか」

 長谷部さんは1人納得しているが、私には何の事だかわからない。

「あなたなんてあのセクハラ部長に食べられたら良かったのよ」

 三島さんが私を睨みつける。

「三島さん、あなたは今日から異動なんだから、早く荷物の整理しなさい」

 長谷部さんが三島さんの言動にカチンときたのか彼女を注意する。

「え?三島さん異動なんですか?」

 私の言葉が余計に三島さんのかんに障ったようだ。

「そうよ。これもあなたのせいよ!どうせ色仕掛けで鷹野くん誘惑したんでしょう?そんなキスマークつけて来て最低!」

 三島さんが部内に聞こえるような大声で私を罵る。
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