不器用なシンデレラ
「・・・婚姻届」

 書類を広げると保証人の欄に親父と・・・花音の母親の名前。

 これを花音の母親に書かせるために昨夜いなくなったのか?

「これ、いくらで書いてもらった?」

 俺が強く責め立てるように聞くと、親父はいつもと違う真剣な表情で言った。

「お前も花音ちゃん救ってやりたいだろう?いつまで十字架背負わせる気だ?このままだと一生だぞ」

「・・・・」

「それは、花音ちゃんにとってみれば免罪符だ」

「免罪符?」

「母親が自分達の結婚を認めたと知れば、花音ちゃんも自分が許されたって少しは思うだろう?その署名に母親の気持ちはこもっていない。だが、その事実は私とお前だけが知ってればいい。大事なのは花音ちゃんがあの母親から解放されること。そうだろう?」
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