SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~



昼休み、―――。



いつもの渡り廊下で、ぽつりと漏らした飛鳥の言葉。



わかってたけど。


二人が惹かれあってるって、わかっていたけど。


何て言ったらいいのか、わかんなくて。



「みんな仲良しだよね。」



そんなどうでもいい相槌しか出来なくて。



あの頃、――――。



奏多君のお迎えが多くなったのは、大哉、あなたがそう仕向けたんでしょう?


急に忙しくなった大哉が、学校に迎えに来なくなったのは…。


飛鳥と、距離を置くため、だったなんて。


ねえ、私は全然、わかってなかったんだよ。



大哉、―――。



飛鳥の怪我のこと、自分のせいだって思ってるんでしょう?


飛鳥が死んだのも、自分のせいだって思ってるんでしょう?


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