SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~



あれは、――――。


飛鳥が確か、小学5年生頃だったかな。



その頃にはもう、―――。


飛鳥の原型というべき形は、既に出来上がっていたように思う。



「飛鳥ちゃんは色が白くて可愛いわね。」


「大きくなったら、美人になるわよ。」



近所のおばちゃんたちにそう言われても、当の本人はキョトンとするだけで。


まあ僕らも、飛鳥のことをそんなふうに見たことなんか、なかったからなあ。


地元のモデル事務所に所属したのも、たまたまそこに知り合いがいたとかいう、それだけのこと。



飛鳥の両親、―――。


僕らにとっては、おじさん、おばさん、なんだけど。



あの人たちだって、なーんにも。


対して深く考えてなかっただろうし。


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