SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「飛鳥ちゃんの命日も、やっぱり乗せてかなきゃいけないんじゃないの?」
「ああ…。」
「嫌だな、なんか。」
そりゃ、そうだろうな。
亜澄は飛鳥の唯一の女友達だ。
奏多なんて、未紗子のことより完全に亜澄の方に肩入れしてるぐらいだし。
あの家の面々にとっちゃ、亜澄は特別だ。
「いや、一緒に行かなくていいよ。」
「えっ、いいの?」
「塾の送迎も、もうないと思う。
負担になるのは申し訳ないって、裕木も言ってたし。」
「じゃあ、早く帰ってこれるのね。」
「塾長が代わりに送ってくみたいだし、これからは早く帰れると思う。
飛鳥の命日も、別に一緒に行かなくていいだろ。」