SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
『ねえ、大哉。ちゃんと話そう!!』
泣きながら、必死に訴えてくる亜澄の姿が浮かんだ。
亜澄が俺を裏切ることなんて、絶対にない。
わかってるんだ、そんなこと。
未紗子に対する復讐の手立て、遣り口。
自分の中でどう消化していいのか、わからなくなっていた頃。
偶然にも、―――。
裕木亜澄と再会したんだ。
都内に何校もある、この進学塾。
まさか、あの裕木亜澄が、―――。
しかも、同じ職場に配属されるなんて。
否応なしにも、感情がかき乱される。
「葛西先生っ。」
嬉しそうに笑う姿に、昔3人で遊びに行った時のことを思い出して。
懐かしさと切なさに、胸が張り裂けそうだった。