SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「だから、言えなかったんだと思う。
一番大切にしたい存在だからこそ、―――。
裕木さん、あなたには言えなかったようだ。
本当の自分を知ったら、あなたが離れていくような気がするって、僕に打ち明けてくれたことがある。
このままでいたいなら、敢えて知る必要もないと思うよ。」
私が今してることは、―――。
飛鳥を冒とくしていることになるのかな。
故人の過去を暴くような…うしろめたさも確かにある。
だけど、―――。
『…あ、すみ…。
だい、やくんを、…お願い……。』
飛鳥の声が、頭の中に響き渡る。
『私が、…出来なかった、こと…。
あす…みが、してあげて…。
だいやくん…を…あいし…て、あげて…。
…だい…やくんを、…まも…って…。』
ねえ、飛鳥。
大哉を守るのは、私しか出来ないんだよね?