SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
それなのに、さ、――――。
何で、八木君は、ここにいるの??
もおおおおおっ!!!
「ほら、もう…、動かないでよ。」
その距離、30センチ。
ただ今、彼は私の膝に消毒液を、垂らす。
「…いったっ!!痛いってばっ!!
もう、自分でやるしっ!!」
「出来るわけないでしょ。
右手、捻挫してるんだから。」
――――――――!!
どうして私が、八木君に、睨まれなきゃなんないのっ?
「…いっ!!」
舌打ちしたい気持ちを抑えて、唇を噛みしめる。
「ほら、じっとしてて。」
ふーっ、ふーっと唇を尖らせ、膝に息を抜きかける八木君と、目が合った。
「痛いの、痛いの、飛んでいけーっ。
…つーの??」
「…う、うるさいっ!!」