いつまでも
彼は県外の大学に進学すると、風の噂で聞いた。

私は地元で就職が決まっている。


今日の卒業式が終われば、もう二度と会うことはないだろう。


それでいい。

ただ、あとひとつ、果たすべき約束があるのだけれど。



いつのまにか、3年8組の代表が壇上に上がって証書を受け取っていた。

この生徒が席に戻ったら、卒業証書授与は終わる。

次は校長先生の話だったか。



私はいまだ井沢時の方を見ている。

特に理由はない。
でもこれで見納めだから、一応。
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