おててがくりーむぱん2


六年間。
長いトンネルのようだった。
このままがむしゃらに突き進んでいいのか、迷って眠れない日も数えきれないくらいあった。


でも、目の前のこの人が「また会える」と言ったから。


わたしは今、ここにいるんだ。


「はい、わたしでよければ」
光恵は涙を浮かべ、そう返事をした。


孝志の顔に、暖かな笑顔が浮かぶ。


「光恵がいいんだ」
孝志は光恵の指にそっと指輪を戻す。


それから、光恵の身体を優しく抱きしめた。


シャッターを切る音。
MCのすすり泣く声。
そして、祝福の拍手が聞こえる。



「愛してる」
孝志が耳元でささやく。


「わたしも」
光恵は、孝志の肩に顔を埋めながら、そう言った。



【完】

< 171 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop