木曜日の貴公子と幸せなウソ


そっか……。

有坂先生、自分で行動したんだ。

なんか、協力するって言ったのに申し訳なかったな……。


「ど、どうしよう。あの有坂先生だよ?私、緊張しちゃうんだけど……」

「大丈夫だよ。いつもの夏江でいいじゃない」

「い、いつもって、私ってどんなだっけ?」


完全にパニック状態に陥っている夏江は、すごく可愛い。


「夏江、有坂先生の事が好きなの?」

「……それ、ずっと萌に打ち明けたかった。でも、萌の様子がおかしいし、木曜日は職員室にこもりがちになるから、てっきり有坂先生と何かあったんだと思ったんだ。……誤解しててごめんね」


本当に申し訳ないという顔で、夏江は小さな声で言った。

恋をするって、大人も子どもも関係ないのかもしれない。

夏江を見ていて、ふと7年前の自分を思い出す。


好きな人の前だと、自分で自分をコントロールできなくなってしまう。

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