私のパートナー

各会社に行っては商談をして、挨拶回りも兼ねて私の顔を覚えてもらっている。


さすがに…今日12社目…。

さっきから靴づれで痛いし!



この辺りは大手企業が連なっていて
どー考えても徒歩の方が早いため 一哉さん自ら歩きで行くといって連れまわされている。



「お前…歩くの遅すぎ。」

「っ…ごめんっ…」

「ノロマな亀かっ!」


その綺麗な唇から放たれるのは罵声のみ…。
ちょっとは女を気遣えっつーの!!


その前に…私は女として、いや、人として見られていない気がする…。


むしろモノ?
自分専用のロボット?
いや…。
この扱いは……


「アホ犬。さっさとしろ。」


犬?!

犬以下な扱いだってば!



「犬じゃないから!!」


もう、上司にタメ口も慣れたものよ。
こんなやつに敬意なんて表せるかっ!


< 16 / 105 >

この作品をシェア

pagetop