私のパートナー

一哉さん?

行かないの?


すると助手席の窓が開いた。


「拗ねるなっていってんだろーが。」

「だ、だから拗ねてない!」

「じゃ、なんでそんな顔してんだよ。」

「もっ、もともとこーゆー顔ですっ!もー、一哉さんも帰らなくていいんですか!」

「敬語になってる。」

「なってない!!」



私はクルッと後ろをむいてマンションのエントランスに入ろうとする。


「っお、おい…。」

一哉さんの困ったような声が聞こえるけど私は歩きだした。




「…菜央!!」


突然名前を大声で呼ばれて
思わず振り向いてしまう。


「お疲れ。…おやすみ。」


なに…その笑顔…。

反則…。



そう言うと一哉さんは車を出して行ってしまった。



なに…??
名前で急に呼ばないでよ…。


こんなの慣れないっ…

胸がバクバクして苦しい。


思いがけない出来事に私はしばらく立ち尽くしてしまった。



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