ちっぽけな距離
ヤキモチ
「最近霜月君、私とよくいるけど大丈夫⁇」
「なにが⁇」
「ほら、周りの女の子とか」
「なにそれ。心配⁇」
「え…だって霜月君は…女の子に人気だし…」
「それは北見も同じでしょ⁇」
「京君⁇」
「そう。あいつの事は考えないの⁇」

それは…。

「まぁ…確かにいつも京君の周りには女の子がいるけど…京君だから、気にしてないよ」
「ふーん。そっか」
「うんっ。気にしてたらいつまで経っても話せないでしょ⁇」
「…まあ…。そんなに好きなの⁇」
「え⁇」
「北見の事」
「…ぁ、うん…ずっと前から…好きだった」
「ずっとって…そんな前から知り合いなの⁇」
「京君とは、幼なじみなの。ずっと一緒にいたから。その分ずーっと片想い」
「ずっと…か」
「うん。だからね⁇京君が初恋の人だし、京君以外好きになった人はいないよ⁇」

そうだ。

よくよく考えてみればそうだった。

京君以外の人を好きになったことはない。

って私…どんだけベタ惚れなんだろ。

「なんかバカみたいだね。私」
「なんで」
「だって、こんな気持ち…京君は受け取らないよ」
「…そうかな」

って、霜月君が言った時だった。

「…た分かった。守るから」

え⁇

京…君⁇

「水樹さん⁇」

山崎君は私に気づいたのかそう言う。

それを聞いて京君がこっちを向く。

そして隣には女の子。

「あ…えっと…」

私は言葉に詰まる。

と言うかなんで⁇

京君がそんな…女の子を相手にするなんて…。

始めて見たよ…。

すごく、嫌な気持ち…。

すると京君がこっちに近づいてくる。

「…あず。なにしてたんだよ今まで」
「え⁇」

少し…機嫌が悪い⁇

「あのメール。こういう意味⁇」

そう言って霜月君を見る京君。

「うん、そうだよ⁇」

だからなに⁇

自分だってそうじゃんか。

私と帰りたくないくせに。

「訳分かんねーし。ちゃんとした理由がないならこんなメール二度と送んな」

…なによ。

「もういいよ‼︎京君のばかぁぁー‼︎」

私はサッと靴を履いて学校を走って出た。

なんで⁇

なんでそんな冷たく言うの⁇

私だけが悪いんじゃないじゃん‼︎

京君だって…京君だって…。

わけ分かんないのは…こっちだよ…。
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