2人の王子様
それにしても...緋琉って、美形だな。





なんか、羨ましく思えてきた。





「おい、なに見つめてんだよ?」





「は、は?緋琉のことなんか見てないし。」





「は?今お前、すっげー見てたじゃねーかよ。」





「見るわけないじゃん、緋琉なんて。」





「...あっそ。」





「緋琉...?」





「俺、帰るから。」





「え?」





「じゃあな。」





緋琉は、帰った。





緋琉...なんで怒ったんだろう?





私...なんかした?





「どうしたの?」





「緋琉...?」





「緋琉の知り合い?僕は緋琉じゃないよ。」





あ...この人、もしかして。





「ドッペルゲンガー...」





「どっぺるげんがー...?」





「あ、いえ!違います!」





「そ?僕は、夏樹舞琉。緋琉の弟だよ。」





まいる...双子?





「おとうと...?」





「うん、双子の弟。こんなところで、どうしたの?」





「緋琉...怒って帰っちゃったんだ。」





「緋琉が...?」





「うん...理由はわからないんだけど、怒ってた。」





「ちょっと待ってね。」





舞琉くんは、スマホを取り出し、誰かにLINEを送っているようだ。





スマホ、緋琉と色違いなんだ。





緋琉は、黒...舞琉くんは、白。





「よし、おっけー。」





「え?」





「まあまあ、本でも読もうよ。」





「そうしよっか。」





「ねぇねぇ、この本面白いんだよ。」





「そうなの?読んでみたい!」





「読んでみなー、面白いよ!」





「うん、読む!」
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