君に伝えたくて。
それから15分後。


俺は15分しか待っていないのに何時間も待った気持ちだった。


でも、待つのは嫌いではない。


ふと横断歩道の奥の方を見ると信号待ちをしている彩奈が見えた。


彩奈も俺に気づいたみたいで笑顔を見せた。


俺は嬉しくて手を振った。


彩奈は、振り返してくれたがそれと同時に前に進みだし、赤信号を渡っていた。


それに俺は驚き、戻れと口パクで言った。


だが、彩奈はそれに気づかず、驚いていた俺の顔を見てその場で止まってしまった。


その横にはトラックが見えた。


俺は目の前が真っ黒になった。
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